特例子会社の利用に問題点やデメリットはないのか?

特例子会社の問題点

障害者の働く環境が整っているということで、近年、特例子会社が注目されています。

又、昨今の障害者法定雇用率の引き上げの動きを受け、企業にとってもメリットがある特例子会社は、その数を増やしています。

・特例子会社数の推移 (厚生労働省資料)

そんな注目されている特例子会社について、メリットやデメリット・問題点を整理しましたので、特例子会社か一般企業のどちらで働こうか迷われている方のお役に立てれば幸いです。

特例子会社とは

特例子会社とは、親会社やグループ会社の障害者雇用率を上げるために、障害者の仕事を専門として設立された子会社のことを指します。

 

障害者の雇用率について、ここで少し説明させて頂きます。

障害者雇用促進法という法律によって、雇用者は、ある一定の障害者の雇用が義務付けられています。

民間企業の法定雇用率は、
2017年8月の時点で2.0%ですが、
2018年4月に2.2%
2020年度末までに2.3%
へ引き上げられる計画が立てられています。

【関連記事】障害者雇用率の引き上げ開始日や企業の反応

 

勿論、雇用率が上がったといっても、障害者の社員数をすぐに増やす事は簡単ではなく、法定雇用率を満足する障害者数を雇えてない雇用主も数多くいます。

そこで法整備されたのが「特例子会社制度」です。

 

「特例子会社制度」とは、別法人の子会社でも、障害者雇用に関して、一定の条件を満足し、厚生労働大臣の認可を取得できれば、親会社の雇用とみなされて、人数を親会社に加える事ができる制度です。

特例子会社で雇っている障害者は「親会社及びグループ会社」の雇用として数える「特例」がある事から、特例子会社と呼ばれています。

 

雇用者が特例子会社を設立するメリットとして、主に以下の4点が挙げられます。

  • 法定雇用率が未達の雇用者に課される「障害者雇用納付金」の削減
  • 障害者のための施設や設備(エレベーター、段差解消、トイレ等)の集中による効率化と経費削減
  • 給料・労働時間・仕事内容・採用基準等につき、親会社と異なる設定が出来る
  • 障害者を雇う事でのイメージアップ

 

特例子会社のメリット

雇用者である企業にとってのメリットは先述の通りですが、肝心の障害者本人にとってのメリットについては以下を参照下さい。

障害者に適した仕事が選定されている

特例子会社で行う仕事は、親会社やグループ会社から選定された定型的な業務が多く、障害者が取り組みやすい内容となっています。

具体的な内容としては、資料管理、書類印刷、郵便物の仕分け、データの入力、備品の管理といった、体力的にも精神的にもストレスが少ない簡単な事務的な作業が多いのが特徴です。

又、これらの作業は、障害がある方でも業務を行えるように作業工程に工夫がされています。

特例子会社には、物品の販売や、農耕、障害理解の為のセミナー等、仕事内容は色々ですが、どこも障害の特性を考慮して人材配置を行っています。

安定した仕事量

特例子会社では、障害者の為の仕事が親会社から整理して振り分けられており、常にある程度の仕事量があります

この仕事中の空白の時間が生まれない事は、知的障害を持った方などの継続雇用に繋がります。

会社に行けば、障害を持った方の責任で進められる仕事があり、それを着実に進める事によって、自分の存在意義を感じられるという環境は、知的障害者等にとって、非常に大切で、特例子会社で働くメリットと言えるでしょう。

障害者間の仲間意識や助け合い

職場にいる100人の社員の中で、障害を持っているのは自分だけという環境ではなく、ある程度の人数の障害者同士が集まっており、日々コミュニケーションを取り合える環境であるのが特例子会社です。

この特例子会社では、障害者の社員同士の仲間意識やチームへの帰属意識が一般企業より高く、障害者の高い仕事定着率にも繋がっています。

そして、様々な種類の障害を持った方が働いており、皆それぞれサポートが必要な場面が出てくる環境であることから、

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  • 視覚障害者が聴覚障害者のために、打合せで文字起こしを支援する
  • 聴覚障害者が視覚障害者を誘導する

という様に、障害者がお互いに助け合いながら働くことが出来ます。

この様に、障害者の一人一人が、社会にとって必要な存在である事を認識できる事は、障害者本人にとって非常に大切な経験だと考えられます。

障害者の為の充実した設備・施設・サポート体制

特例子会社は、色々な障害を持った方々が集まり働くことを想定されているため、設備や施設、サポート体制が充実しています。

具体的には、以下のような対策がされており、一般企業より障害者が働きやすい環境である事は間違いないでしょう。

  • 車内の段差が無くされている
  • ドアの施錠解除を音や光で知らせる(視覚・聴覚障害者への配慮)
  • 車いす対応のトイレや、床ずれ予防のベッドがある
  • 手話通訳士やジョブコーチのサポートが受けられる

又、特例子会社には、障害者の雇用管理の専任職員が配置されており、障害をもった社員の日々の様子を観察し、その人に合ったアドバイスや配慮を行なっています。

新たな業務の開始時の教育カリキュラム作成、ジョブコーチの配置検討、その人だけの冶工具作成、知的障害者にも理解しやすい作業指示書の作成といった事を行なっています。

この雇用管理の専任職員は、嘱託医や産業カウンセラーといった会社内の資源だけでなく、地域就労支援機関や職業センターといった会社外の資源も利用して障害者をサポートしてくれています。

通院の為の制度整備

障害を持った方は様々なタイミングで通院が必要となり、通常の有給休暇だけでは、足りなくなる方がいます。

しかし、特例子会社では、通院が必要な方が、通常の有給休暇とは別に休暇が取れたり、その人に合った時間帯での勤務や、在宅での勤務が可能となっている場合が多く、一般企業と比較して柔軟な働き方が出来ます。

勿論、一般の企業でも、在宅での勤務や、短時間勤務ができるところはありますが、パートや契約社員の形態での勤務が殆どです。

特例子会社は、あなたに合った時間や場所で正社員として勤務出来る事がメリットです。

特例子会社のデメリット・問題点

特例子会社を利用するにあたってのデメリット問題点は以下の通りです。

給料が一般企業より低い

特例子会社での給料や年収は、一般企業のそれと比較して安いのが現状です。
又、昇格した場合も一般企業のように給料が上がる事はあまりありません。

つまり、特例子会社にて勤務されている方は、ベテランであっても新人でも大きな給料の差はありません。

何年働いても大幅な給料アップに繋がらない事は、本人のモチベーション低下を招く可能性があるという問題があります。

専門的な知識・スキルが習得できない

特例子会社でのメインの仕事は型にはまった事務的なものであり、殆どの場合は特殊な知識やスキルはいりません

つまり、特例子会社で長期間働いたとしても、そこでは特別な知識やスキルが習得できる事はまれで、仕事がよくてきる方には仕事内容が物足りなく感じられるかもしれません。

特例子会社と一般企業のどちらがおすすめ?

障害者は特例子会社と一般企業のどちらで働くのがよいのか?

 

その答えは「その人の障害種別や程度、価値観によって異なる」でしょう。

 

世の中には、一般企業から特例子会社へ転職される方、その反対に、特例子会社から一般企業の障害者枠に転職される方もいます。

障害に応じた業務内容や勤務制度を重視されるなら特例子会社、ある程度障害への配慮が足りなくても給料や難しい仕事を求めるなら一般企業を候補として、勤務先を探されるとよいでしょう。

 

又、あなたにとってベストな働き方は、その時のあなたの考え方や、あなたが置かれている環境によって変わる事もありますので、定期的に見直す事をおすすめします。

 

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