障害者雇用率引き上げ開始日や企業の反応について
民間企業で働く障害者数は2016年6月時点で約47万4千人となり、13年連続で過去最高を更新しました。
そしてこの度、障害者の雇用者数増加を後押しする発表がありました。
それは、2017年5月30日に厚生労働省が開催した労働政策審議会によって決められた、企業に義務付けている、法定雇用率の引き上げです。
この雇用率引き上げについて、引き上げ内容や、企業の反応につき調べてみました。
目次
障害者雇用率引き上げ時期
2018年の4月と、2020年の4月からの2段階的で引き上げられる見込みです。
障害者雇用率引き上げ率
民間企業(現在2.0%)
2018年4月から2.2%
2020年4月から2.3%
国・地方自治体・独立行政法人(現在2.3%)
2018年4月から2.5%
2018年度末までに2.6%
都道府県の教育委員会(現在2.2%)
2018年4月から2.4%
追って2.5%
障害者雇用率の算定式
障害者雇用率の算定式=
(身体障害者・知的障害者・精神障害者である常用労働者の数+ 失業している身体障害者・知的障害者・精神障害者の数)÷(常用労働者数 - 除外率相当労働者数 + 失業者数)
企業の反応
今回の障害者雇用率の引き上げについて、社員1,000人以下の企業と、1,000人以上の企業の反応につき、障害者総合研究所での調査結果は以下の通りです。
1000人未満の企業
- 引き上げ幅は予想通り 72%
- 2018年4月1日の時点での2.2%の雇用率は達成困難 44%
従業員数1000人以上の企業
- 引き上げ率が予想より低い 53%
- 2018年4月1日の時点での2.2%の雇用率は達成困難 8%
- 2018年4月1日の時点での2.2%の雇用率は達成可能 83%
(引用元: 株式会社ゼネラルパートナーズ 障害者総合研究所調べ)
まとめ
上記の結果の通り、1,000人以上の社員がいる企業では、障害者雇用について、障害者の受入れ体制が整いつつあり、ある程度計画どおりに障害者雇用者の増加が進められていると考えられます。
一方で、1,000人未満の企業は、障害者雇用率の引き上げに、対応が追いついていない印象を受けます。
障害者受入れ準備が整っていない企業については、早急な取組みが求められるでしょう。