精神・発達障害者しごとサポーターの役割や、養成する2万人の選定方法について
2017年の秋から「精神・発達障害者しごとサポーター」の養成講座がスタートする見込みです。
民間企業の有志の方に、職場で働く精神障害者のサポートに必要な知識などを身につけてもらい、同僚を支援してもらう「精神・発達障害者しごとサポーター」を設立し、2017年度中に2万人を養成する方針とのことです。
本方針について、ネットでは以下の通り様々な意見が飛び交っておりますので、一部をご紹介します。
- その問題について基礎的な知識があるか、心理学や、教育関係の資格の素養が無いと、時間が足りないのでは。
- 事前に厚生労働省の数人が体験すべき。
- 講習を受けても、精神疾患を心の病いと理解しているサポーターが殆どとなるのでは。
- 精神科医やその家族でさえ手に負えない場合があるのに大丈夫だろうか。
- 三倍の賃金でも割が合わない。
2018年4月に施行される改正障害者雇用促進法に基づいて、身体障害者と知的障害者に加え、精神障害者についても、ある一定規模以上の企業や公的機関に雇用が義務化される見込みであり、精神障害者の職場への定着をサポートする人員を養成する目的があります。
しごとサポーターの役割
しごとサポーターの役割は、精神障害者が働く職場での、障害者への見守りや、声かけを通じ、問題が起きることを事前に防ぐということです。
全国のハローワークに勤務する、精神保健福祉士や保健師より講習を受け、精神障害を持った方の行動の特徴や、仕事を続けていく上で気を付けるべきポイントについて学んでいきます。
しごとサポーター養成予算
厚生労働省の資料によると、平成29年度に4,300万円が本サポーターの養成費用として、予算に組み込まれています。
この名目での予算は昨年まで無かったものですので、障害者の雇用が増えている近年の状況を考慮し、職場への定着についてのサポート強化に、厚生労働省が力を入れている事が感じられます。
しごとサポーターの養成
しごとサポーター2万人の養成方法ですが、2万人とだけ聞くととてつもない人数に思われます。
しかし、障害者雇用促進方で、障害者を雇用が義務づけされている「従業員50人以上」の企業は全国に約9万社もありますので、
そこから有志を募り、職場の精神障害者をサポートできる人材を養成していくという事をすれば、単純な計算では、4社~5社のうち1社にでも選定されたサポーターを育てる事が出来れば達成できる人数です。
又、多くの障害者を抱えている大企業では1名のみサポーターがいるだけでは、とても支援出来ませんので、複数人がしごとサポーターとして選定され講習を受ける事になるでしょう。
まとめ
ネットでは本方針を不安視する声が多いですが、障害者の雇用が増えているこの状況を支援する体制は必ず必要です。
しごとサポーターになったからといって、初めから障害者のサポートを完璧にこなす事は困難かもしれませんが、講習等で障害者の行動や考えを理解できる方を増やすという事だけでも、非常に有意義な取り組みであると考えます。
本制度によって、身体障害者や知的障害者だけでなく、精神障害者についても企業で受け入れられる基盤作りが少しでも進む事を祈っております。
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