バターが高い理由は?MMJや福仁畜産の生乳流通改革に注目!
スーパーで安売り商品として目を引く牛乳。
そして、同じような商品なのに、なぜか品不足で、値段が高い状態が続いてるのがバターです。
実はバターはこの10年間で約40%も値上がっているのです。
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バターが高い理由と、バター値上げを止めるきっかけになりうる動きについて調べてみました。
目次
バターが高い理由
日本のバターが高いのは、バター不足が原因で、その理由として、酪農家の減少・生産順位・流通システムという3点が主に挙げられます。
夫々についての説明は次の通りです。
酪農家の減少
国内流通バターの9割以上は北海道の酪農家で生産されています。
しかし、北海道の酪農家は毎年200戸のペースで減少しており、生乳の生産量が低下している事がバター不足の一因となっています。
減少の理由は、酪農家の高齢化、飼育価格の上昇、過酷な肉体労働、海外輸入の影響を受けやすいといった事が挙げられます。
生産順位
次にバター不足の要因として挙げられるのは、乳製品の生産順位です。
生乳の中で一番高く売れるのは、牛乳用の生乳です。
その次にヨーグルト、そして次にバターという順番です。
以上の順位より、酪農家は生乳を真っ先に牛乳用として売り出したいと考え、余ったものがバターに回されるという事は自然な事です。
この買取価格の設定により、バターの生産量が必然的に低くなっている事がバター不足の原因の1つとなっております。
流通システム
現在の主な生乳の流通の流れは、以下の通りです。
酪農家→指定団体→食品メーカー→小売店
ここで問題が指摘されているのは、生乳を独占的に確保している指定団体です。
この指定団体とは主に農協を指し、生乳については、北海道の殆どの生乳の配乳権を持っているホクレンを指しています。
指定団体から食品メーカへ生乳を販売する際に、先程述べた生産順位の通り、儲かる牛乳用としての販売を優先し、バター用の生乳量の販売が少ない事がバター不足を招く一因となっているようです。
バター値上げに歯止めを掛ける可能性がある動き
このバター不足で、値段が高いという状況を変えられる可能性がある動きとして、2点ご紹介します。
MMJや福仁畜産の生乳流通改革
1点目は、テレビ番組の「ガイアの夜明け」で取り上げられた、株式会社MMJと、そこへ生乳の出荷を始めた福仁畜産をはじめとする酪農家が取り組んでいる生乳流通改革です。
MMJとは、国内唯一の生乳自主販売会社で、コストが肥大化している指定団体を経由した従来の流通を変えようと働きかけている企業です。
指定団体より高く酪農家から生乳を買い取り、指定団体より安価で食品メーカーへ販売することで、酪農家の利益と、消費者へ届く乳製品の値段を下げるという仕組みを促進しています。
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バターの低関税輸入枠
バター値上げを止められる可能性があるもう1点目は、6月13日に明らかになった、バターと脱脂粉乳についての低関税輸入枠の新設です。
バターや脱脂粉乳等は、国家貿易の対象であり、政府が一元的に輸入量を管理しており、バターに35%、脱脂粉乳に25%の関税をかけています。
日本と欧州連合(EU)が進めている経済連携協定(EPA)交渉で、低関税輸入枠の新設が実現すると、不足しているバターを少しは補えるようになるのではないでしょうか。
大量に輸入した場合、過剰供給となり余ってしまう、そもそも日本のバターと比較して味が落ちると、売れないという問題が出てくるので輸入のタイミングや量について、慎重に検討する必要があります。
まとめ
バターが高くなっている事につき、問題点として、現在の生乳流通の中心となっている農協等の指定団体に触れましたが、一概に指定団体を外せばよいという簡単な状況ではないのが実情です。
指定団体を通す生乳の流通制度により、生乳の一元的な集荷と、複数の食品メーカーに対する多元的な販売がされ、酪農家の価格交渉力を高められているとも考えられるからです。
しかし、自動的に指定団体に生乳が集まり、食品メーカーに高く売れるという状況では、何も現状は変わりませんので、MMJや福仁畜産といった新たな取組みをする企業が出てきて、市場を活性化させるという活動は歓迎されるべきでしょう。
消費者として気になるのは、流通システムより値段です。出来ればマーガリンよりバターを買いたいと思っている方は少なくないでしょう。
MMJや福仁畜産の取組みや、バターへの関税低減で値段が低くなり、買い求め安くなる事を祈っています。
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